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東北地域農林水産・食品ハイテク研究会

事業計画事業計画

令和2年度 事業計画

1 企画委員会、役員会、総会の開催
  

1)企画委員会    令和2年6月16日〜26日(書面・質疑含む)
2)役員会      令和2年7月1日〜10日(書面・質疑含む)
3)第27回総会   令和2年7月16日〜31日(書面・質疑含む)

2 産学連携支援に関わる各種事業の展開
  

 わが国農林水産・食品産業の成長産業化を通じて、国民が真に豊かさを実感できる社会を構築するためには、農林水産・食品分野と異分野の連携により、革新的な研究成果を生み出すとともに、それらをスピード感を持って事業化・商品化に導く必要がある。
 そのため、農林水産省では平成28年度より新たな産学連携研究の仕組みである『「知」の集積と活用の場』を立ち上げ事業の展開を図っているところである。また、研究支援に関しては、平成30年度から「イノベーション創出強化研究推進事業」を立ち上げ、本格的な産学連携研究の推進と事業化・普及が試みられている。東北管内からも大学、研究機関が応募し、採択されて研究を展開している。さらに、平成30年度から新たに、「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」および「スマート農業加速化実証プロジェクト」が2年間の事業としてスタートし、東北地域から10件が、令和2年度の応募では4件が採択されている。さらに、「労働力不足の解消に向けたスマート農業実証」でも3件が採用され、東北管内で広く農家を巻き込んでスマート農業の実証が行われている。産学連携支援事業を推進するために当研究会では、農林水産・食品分野の高度な専門的知見を有する3名の中核コーディネーター(令和2年度から4名)と17名の専門型コーディネーター(令和2年度から13名)を配置し、生産者、企業、研究機関との産学連携の支援に務めている。具体的には、『「知」の集積と活用の場』と連携しつつ、研究の初期段階から民間企業を含む産学官の関係機関が密接に連携した産学連携研究を促進し、早期に事業化・商品化を実現できるようJATAFFの事業化可能性調査などを活用して、マッチング支援、競争的研究開発資金の獲得支援、事業化・商品化支援に重点を置き以下の事業を実施する。


1)ニーズ・シーズの収集・提供

・ 生産者、農業団体、普及センター、農業関連組織や民間企業へ訪問等を行い、技術的課題、研究開発ニーズ、普及支援ニーズを収集・把握するとともに、農政局、自治体、産学連携支援機関等を訪問し、地域農業の技術的課題や支援ニーズを収集・把握する。

・ 作物品種に対する新たなニーズとしては、業務用米、低アミロース米、高アミロース米等、新たな機能を持った米の品種、もち性の小麦や大麦品種、機能性が高い大豆品種、東北北部地域での栽培適性をもったそば品種、新たな作物としてのさつまいもの品種・栽培技術へのニーズが高い。これらのニーズは、コーディネーターが有する研究機関や大学、農業法人、民間企業、集落営農組織、普及組織とのネットワークを利用して把握している。

・ その他の技術ニーズとしては、大規模水田作の安定化に寄与できる野菜等の複合作物、麦・大豆に変わる超低コストな転作作物の栽培技術の開発が期待されている。特に現在先端プロで技術実証を行っている子実とうもろこし、春タマネギ、ブロッコリー等について生産者のニーズなどを把握している。さらに、令和2年度のイノベ事業に採択された、無コーティング湛水直播技術、低アミロース米の多収技術と商品開発に関する課題についても支援する予定である。

・ 現在、スマート農業加速化実証事業の実施により、スマート農業技術に対する関心は急速に高まっている。しかし、スマート農業技術については、農水省事業でかなり高額な機械を利用した営農システムの実証が行われる一方で、多くの農家は安価で手軽なスマート農業技術を求めていることがコーディネーターの調査で明らかになっている。こうした低コストで気軽に導入できるスマート農業技術(スモール・スマート農業技術と呼ぶ)の普及支援のための活動も展開する予定である。

・ 研究機関や大学、民間企業への訪問・面談により生産者や企業のニーズにマッチした最新の技術シーズの収集・把握を行う。収集した技術シーズについては、活用可能な技術を相談者等に対し適宜紹介し、民間企業等の事業化や農業のイノベーションに向けた研究開発を支援する。なお、技術のシーズについては東北ハイテク研と東北農業研究センター産学連携室が月1回定例で行う意見交換会で把握している。なお、遠隔のコーディネーターとはオンラインでの情報交換を計画する。

・ ニーズ・シーズの収集・提供は、基本的には中核型コーディネーターや非常勤型コーディネーターによる訪問・面談により行う。必要に応じ、収集したニーズ・シーズをテーマにしたセミナー等を開催し関係者のマッチングを図る。

・ ニーズ・シーズの収集・提供について、年間100件以上(令和元年度187件)を、セミナーによるニーズ・シーズの収集については、新型コロナウイルスの影響もありオンライン開催も含めて柔軟に実施していく予定である。

2)産学連携等のためのマッチング

  マッチング等の相談者に適切な対応を行うため、中核型コーディネーターや非常勤型コーディネーターにより面談並びに関係機関等への訪問活動等を行い、案件の内容に応じて適切な研究機関やパートナー企業を紹介するとともに、利用可能な国・県・市町村単位の支援事業、競争的事業化資金・研究資金の紹介などを行っている。

・ 必要に応じ、JATAFFの「事業化可能性調査」制度の活用により、関係者によるセミナーを開催し、競争的研究資金の獲得や研究成果の円滑な移転促進を図る。この制度の活用は、競争的研究資金の獲得に高い有効性を発揮しており、今まで以上に積極的に活用する予定である。

・ 平成28年度に国立研究開発法人東北農業研究センターと連携協定書を締結しており、東北農業研究センターで開発した研究成果等について民間企業、農業経営者、生産者団体等とのマッチング支援を積極的に行う。

・ 東北農業研究センターが育成したもち小麦品種「もち姫」の普及・拡大を目指す「盛岡地方もち小麦の郷づくり研究会」の設立(2017年5月)を支援した。研究会には多様な組織が参加しており、もち姫を中心とした加工商品の開発のすそ野を広げており、地域農業活性化の起爆剤となっている。この研究会活動を今後も継続的に支援していく。

・ 今後は、銘柄米の生産が難しい地域の生産者を対象にして、低アミロース米、高アミロース米等、特徴をもった水稲品種の普及を支援していきたい。また、東北農業研究センターが育成した業務用多収米品種「ゆみあずさ」、岩手農研が開発した低アミロース米の「きらほ」をベ−スに開発を目指している多収穫低アミロース米や無コーティング湛水直播技術の普及なども支援していく予定である。また、農水省の先端技術展開事業で成果を実現している子実用トウモロコシについても東北管内への普及を支援していく。

・ マッチングは、主としてコーディネーターによる生産者・企業・研究機関への訪問とセミナー開催+試食会という形で行う。これまで、東北農研が育成したもち小麦品種「もち姫」、岩手大学が育成した大豆品種「貴まる」、高アミロース米については、企業へ紹介を行い商品化につなげている。
 昨年度は、東北農業研究センターが育成した大豆品種「里のほほえみ」を福島県相馬地域の農業法人に紹介するとともに、健康食品の製造販売企業との取引を仲介した。また、東北農業研究センターが開発した低コスト・自作可能なハウス温度遠隔監視システムについては、スマート農業に関わるセミナーで実演を行うとともに、興味をもった農家・農業法人に紹介して普及を支援している。現在、岩手県、青森県の農業法人が採用して実施している。
 さらに、農福連携を支援するため、青森県の福祉法人と青森県の新郷村との間で麦、大豆、さつまいもを中心とした生産・加工を支援する取り組みを令和2年度から行う予定である。
 マッチングは簡単にできることではなく、継続的な取り組みが必要である。令和2年度はこれまでマッチングした取り組みを継続的に支援するとともに、新たに業務用米品種としての「ゆみあずさ」の普及、低アミロース米、高アミロース米の普及、子実とうもろこしの栽培技術の普及、さらには北東北向けのそばの新品種「夏吉」、薬草、東北地域に適したいちご、さつまいもの品種の栽培法、地元食材活用法の普及等に取り組みたいと考えている。

3)競争的研究資金制度の紹介等

・ セミナー等を開催し、農水省の競争的研究資金に係る制度の紹介、応募書類の作成等について指導・助言を行うとともに、個別相談会を年2回開催する。また応募相談に応じて、研究グループ参画機関の紹介、応募書類のブラッシュアップ等の指導・助言を行う。

・ 相談者等へは、中核型コーディネーター及び専門型コーディネーターが主として対応しているが、案件によっては外部の専門家に協力を依頼する。なお、採択になった課題については、必要に応じ、当該研究課題のPOとの連携や研究支援者、アドバイザーの立場でフォローアップを行う。また、不採択になった課題については、不採択理由の解析・対策の明確化・再チャレンジへの支援を行う。

・ 令和2年度も競争的資金への応募支援を10件以上行う。
 令和元年度は「イノベーション創出強化研究推進事業」13件、スマート農業加速化実証事業8件の応募支援を行っている。

4)商品化・事業化の支援

 コーディネーターによる民間企業・現場等のニーズを収集し、試験研究機関等に紹介しマッチングを図るとともに、必要に応じセミナー等を開催しマッチングの機会を設ける。
 商品化・事業化の支援については、東北ハイテク研のコーディネーターに専門家がいないため、東北農政局の各県にある6次産業化相談窓口ならびに東北各県の6次産業化サポートセンターとの連携を強化していきたい。さらに、東北各県で活動している6次産業化アドバイサーとの連携も強化していきたい。
 また、これまで岩手県を中心に6次産業化、農商工連携を支援する制度を活用してきたが、今後は青森県、秋田県、山形県、宮城県、福島県における同様な制度の存在、利活用条件などを整理してPRする。
 要請があれば、商品化・事業化を成功に導くためのビジネスモデル開発に対する支援、消費者調査なども支援していきたい。

5)セミナーの開催

 令和元年度のセミナー等の開催回数は、9回で参加者総数は492人であった。開催場所は青森県1か所、岩手県3か所、秋田県1か所、宮城県2か所、福島県2か所で、山形県を除く、東北各地で開催することができた。
 今後も広く東北管内でのセミナー開催を企画していきたい。今年は新型コロナウィルスの影響で、大勢の人を集めるセミナーの開催は大きく制約されることになるが、オンライン開催、さらには小規模セミナーを中心に開催したいと考えている。
 特に新型コロナウィルの影響の長期化が予想される中で、Zoom等のシステムを利用したオンライン会議や講演会、セミナーなどについての実施を検討していく。こうした形での講演会やセミナーなどの開催回数は不確定にならざるを得ないが、より問題を絞り込んだ新技術の開発情報、競争的資金獲得、開発技術の社会実装に向けた産学連携セミナー、農福複連、地域づくりに関わるセミナーを開催したいと考えている。

東北地域農林水産・食品ハイテク研究会

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